6月川越散歩
◆6月28日(土)◆
毎月恒例、28日の川越の成田山で開催されている骨董市に集合し
ランチをしたり、着物談義に花を咲かす会です。
先月も参加して参りました。
今回は「埼玉の養蚕・日本の絹」講演会がメイン。
大正時代からの老舗料亭『源氏家』にておいしい江戸風の味付けのお弁当付きです。
こちらでは飛び込みのお食事は一切出来なく、完全予約制。。。
昔ながらの手間のかかるこしらえだそうで、椎茸を戻すのに2日もかかるそう。
はんぺんがモッチモチだったのにも納得!
里芋の煮物に柚子胡椒が添えてあったのには、意外な組み合わせにビックリ。
真ん中の黄色いもの、おそらく空豆のきんとん。
甘い空豆初体験でした。
どれもこれも大変美味しくて、着物姿のためすぐお腹いっぱいに。
洋装だったらご飯もお味噌汁もお替わりしたかった。。。
デザート付きで大満足です。
昼食後はしばし休憩。
ちょっと強面の男性が埼玉県農林総合研究センター 近達也さん 。
皆さんとかわりばんこで『女将ごっこ』(笑)
さまになってるでしょうか??
秩父銘仙の織元『荒啓』さんの銘仙。
最近は銘仙とは言わず、解し織りと言うそう。
解し織りとは、縦糸を仮織りして柄付けをし、一旦解して緯糸(単色)
で織って行きます。
秩父では単色ですが、伊勢崎などでは緯をかすったものを織り込みます。
銘仙は産地ごとに特色があるのですが、一大ブームだった戦前戦後、
皆こぞって真似していったので土地ごとの個性がなくなっていったんのですが、
近年はまた産地ごとに独自性をだしていってるのだなぁと感じました。
(この辺は私が過去に調べた文献からの解釈なので、間違っていたら申し訳ないです。。。)
あのきわどい配色や、大胆な絵柄は最近のものには見られなく、
とってもおとなしい、、、やさしい感じでした。
私はもうちょっとインパクトのある物が良いなぁ、と。
どうしても需要があまりない世界なので、一般受けするようなものよりは
通好みのもののほうが受けいられるんじゃないかなぁ、と勝手に思ってました。
まぁ、染めることから離れてしまった私なんぞがとやかく言える立場ではないのですが(笑
その後、埼玉県農林部の養蚕博士(近さん)をお招きして全国第4位の養蚕県、埼玉県の絹の話、埼玉の繭「いろどり」開発の苦労ばなしなどを伺いました。
日本は一人につき、絹利用率世界一(総量は中国)なのにも関わらず、
その自給率は1%だと言うこと。
国産、とうたわれている絹はだいたい原料(繭)は中国、ブラジルで、
輸入し、生糸にするのが日本だから国産、と。
ウナギやアサリの問題と似てます。中国産を日本に一度放流したら国産、と。
なんかなぁ。。。
だからといって、外国産の絹がダメかというとそうでもないらしく、
優秀だそうで。
一時代を築いた方々が直接指導しているのでそれはそれは良質の絹になっていくのです、と。
それと糸を吐く蚕というのは世界に500種いるが、野蚕(やさん)=野生の蚕、
は日本にはいなくて、家蚕(かさん)=人間が飼育、のみだということも
絹が減って行く現状に足止めをかけられないのだそうです。
手間ひまかけてもやっぱり人件費のかからない外国産が主流になってしまうのは
否めないような。。。
蚕博士のお話は尽きなく、もっともっと聞きたいところでしたが、
飼育中のお蚕さんに餌やりをするべく、いそいそと帰られて行きました。
お土産にいただいた、さなぎ入りの繭。
『いろどり』という品種で、檸檬色をしてます。
生地にしても白くはならず、檸檬色なのに白生地あつかいだそうで
柔らかい色で、そのまま色無地などにしても良さそうでした。
学生時代は、繊維材料学や服飾文化論など、眠くて眠くてたまりませんでした。
抗議してくださる方のお人柄、、、によって探究心とは変わってくるのですね。
今更ながら繊維のこと、染め、織りについて深く興味が湧いております。
当時からそういった思考だったらまた違った今があったのでしょうね〜
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