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2009.06.15

秩父きもの散歩2 さらに養蚕農家見学

*今回もお蚕さんの幼虫の画像もありますので、虫が苦手な方は
 読み進めないでください(笑

繭を作るところへ移す事を上族というのですが、その目安は
お蚕さんの体は透き通ってきて、桑の葉を食べなくなり、
そして糞の色なででも判別できるそうです。

お蚕さんがいる棟(画像左)の上に、桑の葉を乗せたネットを被せます。
そうすると上へ上へ行く習性があるので、ネットの上へ這い上がる
のです。そうしたらネットごとお蚕さんを取って、機械に入れます。
(画像右)横から送風機で風を当てると、葉っぱやゴミだけが飛んで行き
お蚕さんだけ下へ落ちます。
Rimg2466_2  Rimg1872_2
宮崎さん宅では3棟の中に10万頭程いますが、4人で2時間のうちに
作業するそうです。

Rimg1884
奥の施設へ移動します。
お蚕さんが
になっている所が見られるのです♪

Rimg1886

回転まぶしという、仕切りのある厚紙で出来たお蚕さんのベッドです。
*回転まぶし
 お蚕さんが一部屋に一頭ずつ入って、繭を形成します。
 床の上にお蚕様を広げまぶしを置くと、習性として上へ上へ
 上がって行きます。 それを天井から下がってるフックに吊るします。
 上に登って行くと重みで回転します。
 そして上手い事お部屋に入って行くそうです。

Rimg1896

こちらの繭たちは11日に上族したものです。

お蚕さんは上属してから8〜10日、糸を吐いて3〜4日で
繭(サナギ)になります。外からは勿論見えませんが、体は
茶褐色に丈夫な皮膚になります。
「サナギになったかな〜」と思ったら、振ってみれば判別できるそうです。
(コロコロと軽い音がするので。。。)

Rimg1920
わ〜〜〜入ってます、入ってます♪
もっと拡大してみましょ(笑

Rimg1918

でも時にはお部屋に入らないはみ出し者もいたり(笑
天井にまで上ってしまい、繭を作っているお蚕さんもいました。

Rimg1922

殆どのお蚕さんはもう繭を作っているので、下に敷いてある
ビニールシートはキレイですが、それまでは、排泄物をきちんと
お部屋の外へするので、敷いた新聞紙がビショビショになるそうです。

Rimg1936

Rimg1904
全て吊るしてある中で、床置きになっている、まぶしを発見!
後で宮崎さんに伺ってみた所によると、
年寄りのお蚕さん
しがみつく力が衰えており、回転まぶしに捕まってられなく
なって落っこちてしまうのだそう。

落ちこぼれ組ですが、
こうやってやるとそれなりに繭をつくる
そうです。
勿論、形が良くなかったり小さかったりはするのですが。

Rimg1928

Rimg1930

サナギになると10〜12日くらいで羽化してしまいます。

でもその間に糸をとるわけでもありませんから、熱風を当てて、
乾燥させ、中のサナギを殺してしまう(
乾繭生糸)んですね〜
羽化して繭に穴が空いてしまっては生糸が取れませんから。。。

逆に、その羽化してしまう間に、サナギがまだ生きている状態で
座繰りしたものが
生繰り生糸です。

*座繰りの様子
http://shioring.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-e41d.html


あ、話が反れてきました(笑

私が見聞きしてきた養蚕の現状はこんな様子です。

養蚕業の方の高齢化、消費者の着物離れ。。。事態は刻一刻と
良くない方向へ行くのかもしれませんが、何処かで我々が
食い止めることが出来れば。。。
伝統的な産業、文化などは不景気にこそ見直されるのですよね。
人々の意識が変化してきた今がチャンスだと思いました。




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コメント

相変わらず、同じ場所に行ったとは思えないほど素敵なお写真!! 目のつけどころがシャープでしょ♪って感じ~(古っ)
かわいかったね、お蚕ちゃん♪益々好きになりました~

投稿: しのぶ | 2009.06.15 12:14

養蚕農家の宮崎さんのお話、夏でも温風を送ったり、いい繭をつくるための愛情のかけかたにおどろきました。
小鹿野ルポも楽しみにしております。

投稿: koedo | 2009.06.15 15:02

■しのぶさん
ご隠居に『始まった、始まった〜♪』なんて事を
傍らに言われながら、『穴』とか撮ってました(笑

いつも褒めていただいて有り難うございますね☆

お蚕可愛かったです〜早く私も触れるようになりたいなぁ〜!


■koedoさん
今回もお世話になりました◎

40度の中での作業はちょっと想像がつきませんよね。。。
沢山の行程を経て、我々が着ているものになっているのかと
思うと、気が引き締まります!

は〜い、楽しみにしていてください〜

投稿: shioring | 2009.06.15 20:42

今回不参加ながら、まるで自分も行った気分に浸れました♪
去年の秋に行っているので、イメージが発展しやすいことも大きいけれど、
shiOringさんの、いつもながらのセンスよい写真と
詳細なルポ、大いに感謝しています~

それにしても「年寄りのお蚕さん」のくだりには思わず
ウルウル…けなげやわ~~
同時に繭をつくるから、みな同い年とばかり思ってました!
勉強不足を痛感したワ!

投稿: うなみ | 2009.06.16 15:28

■うなみさん
喜んでいただけたようで、嬉しい限りです〜♪
まだまだ続きますので,おつき合いくださいね〜〜〜

>同時に繭をつくるから、みな同い年とばかり思ってました!

私もそう思っていたのですが、回転まぶしがずらずら〜っと
並んでいる中、端っこの方にまだお部屋を求めているお蚕さんが
いる、まぶしもありました◎
時々、ボトッと、音を立てながら落ちる蚕さんも。。。

そんな力のないお年寄りは、床に枠を置いてやるんだそうです。
この「直置き」が気になって気になって
時間も無いのに無理矢理に質問した訳です(笑

投稿: shioring | 2009.06.17 00:17

はじめまして
5月の28日に洋服で参加させてもらったものです。
よろしくお願い致します。

わたしの実家は群馬県でして、子どものころ
おじいちゃんおばあちゃんが養蚕農家でした。
ですから、子どものころからお蚕さまはよく見ていたり
また、お手伝いをしていましたので、懐かしく写真を
見せていただきました。

関係ないですが、お蚕さまが食べる桑の実が大好きでした~(笑)
手や舌を赤紫にして食べていました。
それと、おばあちゃんが桑の葉っぱを天ぷらにするんですよ~、それはなんかあまり食べたくなかったなぁ~(笑)

どうもわたしはつい、食べ物の話題に・・・(汗)

投稿: 夢花 | 2009.06.18 22:42

■夢花さん

こんばんは。
日常の一コマに、養蚕があったのですね。。。
私ももっと早くに出会いたかったですねぇ。

桑の実って美味しいのですか?
私が住んでいる周辺には桑の木はなく、見た事無いのです。
へぇ〜葉っぱも食べられるのですか!

昔の知恵ですね〜

また川越きもの散歩でお会いできる事
楽しみにしていますね!
(声掛けてくださいね〜〜〜)

投稿: shioring | 2009.06.20 01:41

なるほど~生糸の作り方にも2種類あったんですね。

そしてお蚕さんは同級生じゃない???
一緒に羽化してきた仲間だと思ってましたよ~

勉強になります。。。

投稿: たくあん | 2009.06.20 06:57

■たくあんさん

基本は乾燥させてから生糸にしますが、
生繰り生糸の場合はうかうかしていると
サナギが変態してしまいますしね、
あとは糸のしっとり感も違うそうです(値段も
勿論高くなります〜〜〜)

私も個体差があることに驚きです!
人間の子も同じに生まれても食が細い子もいれば
大喰いな子もいますからね、そんな雰囲気でしょうか?

投稿: shioring | 2009.06.21 00:52

この記事へのコメントは終了しました。

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