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2010.01.20

東京国立近代美術館工芸館 『美しいキモノ』のための特別鑑賞会 後編

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『美しいきもの』副編集長さんからの挨拶の後、鑑賞会の開始です。

まず、人間国宝:染織作家:森口華弘氏の着物4点の解説から。
森口氏の作品の特徴は
1:大胆な構図→わかりやすさ
2:最小限の色使い→力強さ
3:蒔糊→奥行き感

だそうです。

蒔糊
とは、餅米粉と糠と塩と亜鉛末を混ぜて作った糊を薄く敷き、
乾燥させたものを砕いて粒にしたものを、水分を含ませた布の上に
散らします。乾くと布に張り付き、防染の役割を果たします。
元々は撒糊と記し、江戸時代の友禅技法として確立していましたが、
使用範囲は部分的なものだったものに研究を重ね、作品全面に施す
ようになり『蒔糊』と名付けました。

『古代縮緬地友禅訪問着 早春』1955年
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地の『白』はパッと見は1色なのですが、蒔糊により、絹の元々の
白と、胡粉の白と、2色使いになっています。

『古代縮緬地笹文着物 残雪』1969年

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(実物は白地に、ピンクや黄色、墨色で描かれています)
笹の葉の上には蒔糊で 残雪が表現され、地面である地の生成りの白で
影になっている雪の色が表現されています。

『縮緬地友禅訪問着 菊  』1970年

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茎と葉の部分を蒔糊で表現しており、その濃淡は下から上に向けて
薄くなって行きます。上昇して行く様を強調する為だそうです。
菊の黄色はタマネギを染料とし、7回摺り込まれています。
この作品は10代の終わりに図録で初めて見て以来、ずっと気になっていた
意匠で、現物をまじまじと鑑賞する事が出来、嬉しかったです。

『駒織縮緬地訪問着 早流』1961年

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極々細い線で川の流れが表現されていました。餅米粉と糠で作る糊ではなく
『たま糊』という小麦粉と卵白を使用した、糸目糊で防染された作品
だそうです。

着物4点の後には、企画展の方も部分的に解説していただきました。
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雨の中、着物で出掛けることに躊躇してしまいそうになりましたが、
国宝作家の作品が優雅に、解説付きで(しかも無料で)鑑賞出来、
貴重な体験に感謝です。

格好はと言えば、二部式の雨コートの裾部分のみ着用し、上は
ベロアコートで防寒。
足下は雨下駄(勿論、入場の際には草履に履き替えました)で
雨と寒さ対策バッチリでのお出かけは、なかなか楽しかったです。

夕方より仕事に行ったのですが、年上の男性に『雨仕様の和服も良いよね』
と褒められ、頑張って出掛けた甲斐があったなぁと、嬉しくなりました◎



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コメント

あ!バッグデビューですか?やはり、いい感じですね☆
とっても似合ってます♪

この日の様子は「美しいキモノ」に載るんでしょうか?
何月号かな?

投稿: 秋穂 | 2010.01.21 08:29

■秋穂さん

えへへ、やっとお出かけ出来ましたので♪
ここぞとばかりに使ってみました◎

う〜ん、載らないと思いますねぇ〜カメラマンが
いませんでしたもの(笑
残念!

投稿: shioring | 2010.01.24 23:59

この記事へのコメントは終了しました。

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