カテゴリー「歴史的建築物/史跡/旧跡」の82件の記事

2010.01.20

東京国立近代美術館工芸館 『美しいキモノ』のための特別鑑賞会 後編

Rimg1197

『美しいきもの』副編集長さんからの挨拶の後、鑑賞会の開始です。

まず、人間国宝:染織作家:森口華弘氏の着物4点の解説から。
森口氏の作品の特徴は
1:大胆な構図→わかりやすさ
2:最小限の色使い→力強さ
3:蒔糊→奥行き感

だそうです。

蒔糊
とは、餅米粉と糠と塩と亜鉛末を混ぜて作った糊を薄く敷き、
乾燥させたものを砕いて粒にしたものを、水分を含ませた布の上に
散らします。乾くと布に張り付き、防染の役割を果たします。
元々は撒糊と記し、江戸時代の友禅技法として確立していましたが、
使用範囲は部分的なものだったものに研究を重ね、作品全面に施す
ようになり『蒔糊』と名付けました。

『古代縮緬地友禅訪問着 早春』1955年
Moriguchikakososyuns
地の『白』はパッと見は1色なのですが、蒔糊により、絹の元々の
白と、胡粉の白と、2色使いになっています。

『古代縮緬地笹文着物 残雪』1969年

21000500001600175
(実物は白地に、ピンクや黄色、墨色で描かれています)
笹の葉の上には蒔糊で 残雪が表現され、地面である地の生成りの白で
影になっている雪の色が表現されています。

『縮緬地友禅訪問着 菊  』1970年

002
茎と葉の部分を蒔糊で表現しており、その濃淡は下から上に向けて
薄くなって行きます。上昇して行く様を強調する為だそうです。
菊の黄色はタマネギを染料とし、7回摺り込まれています。
この作品は10代の終わりに図録で初めて見て以来、ずっと気になっていた
意匠で、現物をまじまじと鑑賞する事が出来、嬉しかったです。

『駒織縮緬地訪問着 早流』1961年

Cont_220_2
極々細い線で川の流れが表現されていました。餅米粉と糠で作る糊ではなく
『たま糊』という小麦粉と卵白を使用した、糸目糊で防染された作品
だそうです。

着物4点の後には、企画展の方も部分的に解説していただきました。
Rimg1205

Rimg1201

Rimg1207

雨の中、着物で出掛けることに躊躇してしまいそうになりましたが、
国宝作家の作品が優雅に、解説付きで(しかも無料で)鑑賞出来、
貴重な体験に感謝です。

格好はと言えば、二部式の雨コートの裾部分のみ着用し、上は
ベロアコートで防寒。
足下は雨下駄(勿論、入場の際には草履に履き替えました)で
雨と寒さ対策バッチリでのお出かけは、なかなか楽しかったです。

夕方より仕事に行ったのですが、年上の男性に『雨仕様の和服も良いよね』
と褒められ、頑張って出掛けた甲斐があったなぁと、嬉しくなりました◎



3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
             にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ



| コメント (2)

東京国立近代美術館工芸館 『美しいキモノ』のための特別鑑賞会 前編

12日のこと。婦人画報『美しいキモノ』のための特別鑑賞会チケットが
当選しましたので雨が降りしきる中、皇居前の東京国立近代美術館工芸館
行って参りました◎
企画展『現代工芸への視点ー装飾の力』と、
人間国宝:森口華弘の鑑賞会です。

 *工芸館 http://www.momat.go.jp/CG/cg.html 
 *森口華弘 http://www.nihon-kogeikai.com/KOKUHO/MORIGUCHI
-KAKO/MORIGUCHI-KAKO.html
 
Rimg1217_2

Rimg1221

休館日ですので鑑賞会に当選した40名しかおりません。
なんて贅沢なんでしょう。。。

Rimg1213

Rimg1211

建物は明治43年(1910)建築。関東大震災や第二次世界大戦の空襲を
くぐり抜けて、ほぼ完全な姿で残っています。とっても大きく見えますが
2階建て、というのにちょっとビックリ。

建物内部は、展示室以外は撮影OKでしたのでバシバシ撮って来ました◎
Rimg1183

Rimg1191



3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
             にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ



| コメント (2)

2010.01.04

富岡製糸場(周辺街歩き)

平日の午前中に現地に到着した訳ですが、人がいない。。。
地元のご夫人が数人で井戸端会議をしていたのですが、帰りにも同じ
方々を見かけました(笑


Rimg0002

Rimg0232
長い敷地だなぁ〜。
蔵を残して更地になっていたけれど、どうするのだろ。

Rimg0008

Rimg0012

在りし日は栄えていたのであろう雰囲気のする街。
富岡製糸が昭和62年に操業停止するまでは、さぞかし賑わって
いたのだろうなぁ。

Rimg0218

Rimg0220

似ている、、、行田、深谷、本庄の街の空気に似ている。。。

Rimg0222

Rimg0230

Rimg0228

定休日なのか、閉店しているのかわからない店がとにかく沢山あった。
そのほとんどが飲み屋さん。

Rimg0234

Rimg0236

大きな駐車場にポツリと煉瓦の蔵。
私は、古き良き建物を残す精神に心打たれるのだが、PONYからすれば
解体資金がないだけだろう、と。
う〜んどっちが正解かしら?

おしまい


3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ



| コメント (2)

2010.01.02

富岡製糸場(繰糸場 後編)

現在は昭和40年代以降に設置された自動繰糸機が残されています。
当時の繰糸機は、長野県岡谷市にある「蚕糸博物館」にあり、
蒸気機関は愛知県犬山市の「博物館・明治村」に保管されているそうです。

Rimg0142

Rimg0124

器械は全てビニールシートに覆われていました。


Rimg0114

Rimg0126

Rimg0148

そしてこれ以上先には入る事はできず。。。
中央までしか行けませんでしたがそれでも大きいなぁ〜と言う感想。
とっても寒かったのですが、器械が動いていた頃は湯を使うので
冬でも暖かかったのでしょうか?
 

3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ



| コメント (4)

2010.01.01

富岡製糸場(繰糸場 前編)

*繰糸場*
明治5年(1872)建設
長さ140.4m/幅12.3m/高さ12.1m
Rimg0092

Rimg0162

繰糸場は、繭から生糸を繰る作業が行われていた場所です。創業当初は
フランス式の繰糸器300釜が設置され、世界最大規模の工場でした。

Rimg0160

Rimg0122

明治期の建物内部
Koujouuti

Photo2


建物にはトラス構造という従来の日本に無い建築工法を用いています。
そのため、建物内部には柱の無い広い空間が保たれています。
Rimg0120

更に採光の為の多くのガラス窓や、屋根の上に蒸気抜きの越屋根が
取り付けられました。

Rimg0144

3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ

 

| コメント (0)

富岡製糸場(女工館/ブリューナ館)

*女工館*
明治6年(1873)建築

Rimg0106

日本人工女に、器械による糸繰りの技術を教える為に雇われたフランス人
女性教師の住居として建設されました。

Rimg0078

ベランダの天井には板が格子状に組まれ、当時の日本建築にはない
特徴が見られます。

Rimg0084

*ブリューナ館*
明治6年(1873)建築 建坪320坪
Rimg0166

建物は木骨煉瓦造で建てられ、高床で回廊風のベランダを持っています。

裏側から。
Rimg0170

*診療所*

Rimg0168

Rimg0172

3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ

| コメント (0)

富岡製糸場(西繭倉庫)

*西繭倉庫*
明治5年(1872)建築
長さ104.4m/幅12.3m/高さ14.8m

Rimg0188
植え込みの向こうにチラッと見える西繭倉庫。

運動場のような広場も手伝ってか、とても大きく感じます。
勿論、画面に入りきりません(笑
Rimg0044

Rimg0052

ただ、近づいてみて分かったのですが、、、見学範囲が限られてるのです。
美観を損ねる柵とロープの羅列。。。しかし柵を乗り越えた所で
係の人は1人も配置されていないので、怒られないだろうけども(笑

Rimg0060
なるほど!1階の煉瓦が新しい感じがしたのはその為なのですね。

Rimg0058

Rimg0054
ここから先も入れないんですよね〜
しかもこの奥には鉄水槽があるらしい。なんで見学不可なのかしら?

Rimg0198

殆どの建物の内部見学不可はまだ分かるとしても、近寄る事さえ
ままならない事に、早くも不機嫌になる私(笑
受付に係の人がいた他は、ボランティアで解説を行っているシニアの方が
2人程と売店に1人。施設関係者がほっとんどいないの!
人間が配置出来ない(目が行き届かない)から、見学範囲が限られている
のかしら?こんなんでは世界遺産は無理だよ。。。

しかしまだまだ見学は続きます。

3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ


| コメント (0)

富岡製糸場(乾燥場)

*乾燥場* 

Rimg0192

Rimg0026

看板にも表記されているように、増築、改装が行われていた為か
他の建物とはだいぶ雰囲気が違いました。

Rimg0062

Rimg0046

Rimg0050
建物の右手に回ると旧蒸気窯所が右側に見えます。

裏側から見るとこんな感じ。
Rimg0100


3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ



| コメント (0)

2009.12.31

富岡製糸場(東繭倉庫)

 *東繭倉庫*明治5年(1872)建設
長さ104.4m/幅12.3m/高さ14.8m

Rimg0018

↑表から、↓裏から。人間の大きさと対比するとそのスケールの
大きさにビックリします。

Rimg0190

Rimg0178

建物の構造は、木材の骨組みの間に煉瓦を積み並べる『木骨煉瓦造』
つかわれました。使用された煉瓦は、日本の瓦職人が甘楽町福島に窯を
築いて作りました。勿論、煉瓦など作るのは初めての事なので相当
試行錯誤があったようです。

目地には下仁田の青倉、栗山産の石灰で作られた漆喰を使いました。
また礎石には甘楽町から切り出された砂岩が使われました。
(深谷煉瓦や、大谷石が使われのかな?と思ってましたが違いましたね)


当時は1階は事務所、作業所などとして使い(現在は資料展示/売店)
Rimg0210

Rimg0024

2階に乾燥させた繭を貯蔵しました。
Rimg0200

アーチ中央のキーストーン(要石)
Rimg0184

Rimg0066

Rimg0064


3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ






| コメント (0)

富岡製糸場(検査人館)

12月始めに長野へ向かう際に、通り道なので富岡製糸場に立ち寄ってみました。
しばし建物ブログと化しますが、ご了承ください(笑

HPには専用駐車場がないので、コインパーキングを使用してください、と
表記されていたのですが。。。

Rimg0014

入り口を見誤って、裏口に歩いて来てしまったのですよ。
そうしたら、この↑塀沿いが無料駐車場でした。。。。。。。。
でも、コインパークに停めたお陰で街歩きが出来たので良しとします(笑
(街歩き画像は後ほど〜)
広大な敷地を半周し、やっと入り口に到着です。


*富岡製糸場*

当時の日本は明治維新を迎えたばかりでした。殖産興業制作を掲げた政府が
急務としたのは、輸出品の要であった
生糸の品質改良と大量生産を可能と
する
器械製糸工場の導入と推進でした。
日本の工業化は、製糸から始まったのです。

Koujousoto

Rimg0020

では何故、富岡に建設されたのでしょうか?理由として
 1:養蚕が盛んで、原料繭が確保出来る
 2:工場建設用の
広い土地が用意出来る
 3:外国人指導の工場建設に
住民が同意
 4:既存の用水を使う事で製糸に必要な、
水の確保が出来る
 5:
燃料の石炭(亜炭)が近くの高崎、吉井で採れる
と、工場建設に適していた為でした。

Rimg0216

ではでは建物紹介です。

*検査人館*明治6年(1873)建築
チケット売り場隣にある建物です。生糸や機械の検査をしたフランス人
男性技術者の住居として建設されました。後に改修され、現在は事務所
として使用されています。

Rimg0068

Rimg0214

Rimg0072

2階には貴族や政府の役人が訪れた際に使用される『貴賓室』が
大理石製のマントルピースを備えた形で、ほぼ当時の状態で残されて
います(見学不可)。
Rimg0202




3ブログランキングに参加しております。

沢山の方にご覧いただき嬉しい限りです。
更新の励みになりますので、
ワンクリックお願いいたします♪

↓↓↓
          
  にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ


| コメント (0)

より以前の記事一覧